ファイバーグラス L形アングルプロファイル:特徴・用途・選定ガイド
FRP(繊維強化プラスチック)製のファイバーグラス L形アングルプロファイルは、軽量かつ高強度を両立した構造用角材です。耐食性・耐候性に優れ、建築、海洋施設、化学プラントなど過酷な環境下での縁補強や接合部の保護に広く採用されています。
製造方法と規格分類
FRP L形角材は、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂を組み合わせたプルートルージョン成形法で製造されます。連続繊維の配向制御により、曲げ強度3,000MPa以上、熱膨張係数6×10⁻⁶/℃(ASTM D696準拠)を実現。主な規格は脚長(25mm~100mm)・厚み(3mm~12mm)で分類され、UL94難燃グレードや耐UVコーティング仕様も選択可能です。
金属角材との比較とメリット
鉄やアルミ製のL型アングルブラケットと異なり、FRP角形プロファイルはサビ・電食腐食が発生せず、化学薬品や塩分に強い特性を発揮。重量は同等サイズの鋼材比で約1/4と軽量ながら、引張強度は同等以上です。絶縁性を活かした電気設備用枠組や防爆エリアでの採用例が増加しています。
L型ファイバーグラス補強材の主な用途例
- 建築分野:コンクリート型枠の角補強、外装パネル接合部
- 海洋プラント:桟橋エッジガード、船舶内装の耐塩害フレーム
- 産業設備:化学タンク支持材、絶縁性が必要な配電盤枠
- 交通機器:軽量化が求められるトレーラー内装パネル
施工時のポイント
FRP L形トリムを取り付ける際は、以下を遵守してください:
- 下穴加工で割れ防止(ドリル径はネジ径の80%推奨)
- 異種金属接触を避けるため、樹脂コーティングボルトを使用
- 屋外設置時は紫外線対策シーラントを継ぎ目に塗布
類似製品との性能比較
PVC製プラスチック角材は低コストですが、耐熱温度(80℃以下)や耐衝撃性でL型FRPプロファイルに劣ります。ステンレス製は高価で重く、断熱性も非対応。多様な環境で長寿命を求める場合は、FRP材が総合コストを抑制します。
総括
ファイバーグラス L形アングルプロファイル(別名:FRPコーナーガード、L型ガラス繊維補強材)は、伝統的な金属角材の弱点を克服した次世代構造材です。JIS規格適合品から特殊カスタム仕様まで、用途に応じた最適な断面設計が可能。産業機器の耐久性向上・メンテナンスコスト削減を実現します。